今回の主役、まことくんです↓

ちゅわこは、愛護ボランティアの方と一緒に、
阿部さんが住んでいるというJ地区に向かいました。

阿部さんがおっしゃった坂の上の住宅地には、
3~4件「阿部」というお宅がありましたが、“例の女性”は居ませんでした…
さらにどの「阿部」宅も、猫を飼っているような雰囲気がありませんでした。

阿部さんの携帯には、何度も何度も電話しました。
でも阿部さんは電話に出ませんでした。。。
通りかかった人たちにたずねたり、J地区の交番にも行って調べました。
気がつくと夜中になってました。
結局、阿部さんの家は見つかりませんでした。

そして愛護ボランティアの方が言いました。

「ねぇ、その阿部さんって方は、団地にお住まいなんじゃない?
 団地だったら動物飼うのは禁止だし…だから外で飼うって言ったんじゃない?
 今日はもう遅いから、明日私から電話してみますね。」

ちゅわこが家に帰ると、お母さん猫のツピが、
ちゅわこにゴロゴロとすりよってきました。
ツピをなでているうちに、たまらなくなり、泣きじゃくってました。。。

次の日、愛護ボランティアの方から、一通のメールが…
「阿部さんには、6時と7時頃に2回電話しました。
 2回目に電話をしたら、阿部さんから電話を頂き、
 阿部さんは『あなたは誰なんだ』と(私に)言われました。
 
 ちゅわこさんの猫ちゃんの事をお話をすると、ものすごい状態になってしまい、
 私の話も聞かずに一方的に怒鳴って、
 『もうちょっと落ち着いてお話しましょう』
 と、何度言っても興奮状態のままでした。
 結局、ちゃんとした形の話し合いはまったくできず、
 一方的に電話が切れてしまいました。
 
 最後に阿部さんは、

 
 『私は阿部ではありません!J地区にも住んでいません!
  猫は、私よりも可愛がってくれる人にあげます。』

 
 と言われました…
 
  私の憶測でしかありませんが…
 もしちゅわこさんが、どうしても猫ちゃんを戻して欲しくても、
 もはや阿部さんのお家には居ないような気がします。
 多分、団地のあたりでウロウロしているのではないでしょうか。
 私の憶測でちゅわこさんを傷つけてしまうかもしれませんが、
 猫ちゃんは、既に阿部さんのお家には居ないような気がしてなりません。
 お力になれず、大変申し訳ありません。」

「(阿部って人に)詐欺られた~~!

思わず、ちゅわこは叫んでました。。。
翌日からちゅわこは、J地区を捜し回りました。
団地はもちろん、近くの空き地やお寺の境内、お墓まで…
猫の鳴きまねをしながら、通りかかった人達や、畑仕事をしている人に尋ねたり…
二週間、朝晩必死で捜しました。
でもまことくんは見つかりませんでした…

知り合いの警察官にも相談しました。
携帯番号から身元は分かるそうですが、
ハッキリした実害がない限り、立件できないとの事でした。

「もし、まだその人の所にまことくんが居たのなら、
 ちゅわこが近づいたら虐待する可能性があるかもしれないよ。
 ちゅわこが辛い気持ちは分かるけど…残念だけど諦めた方がいいよ…」

と言われました。

知人から目撃情報も頂きましたが、確認したら違ってました。。。
もう外は寒く、氷雨が降り続いていました。

まことくん、ちゃんとご飯食べてるかな…
もうこの世にはいないのかもしれないよね…

思えば思うほど、だんだん悲しい気持ちになりました。
やがて長~く、そして厳しい“青森の冬”が訪れました…

《つづく》